行政） 「２５３０円で工事請け負え」 値切り王に北海道開発局

　全国消費者値切り協会（本部・難波）は、今年度の「値切り王」に北海道開発局をノミネートした。年末に値切りの街、大阪で開かれる表彰式で値切り王が決定するが、王座は約束されたも同然だ。。

　北海道開発局は、３０日、入札金額に「０」４つを入れ忘れ、２５３０円で落札してしまった北海道帯広市の電気工事会社、アサヒ電気が「この金額では施工できない」と契約を辞退したことに対し、「信頼関係を損なう不誠実な行為」としてアサヒ電気を３カ月の指名停止とした。
　アサヒ電気が入札したのは、北海道更別村のサケ・マスふ化場の電気設備工事で、アサヒ電気は２５３０万円で入札しようとしていたが、担当者の入力ミスで２５３０円として入札。これに対し北海道開発局は、「だって２５３０円で入札したじゃん」と、差し引き２５２９万７４７０円も値切ろうとした。

　全国消費者値切り協会の金葉原円増会長は（かねははら　えんぞう）、「値引きは相手の経営に迷惑をかけない最大限ぎりぎりの所で勝負するのが美徳だが、北海道開発局はその常識を大きく打ち破った」として、値切り王の有力候補に推す考えを示した。
　北海道開発局は昨秋から談合防止と手続き簡素化のためとして、パソコンによる電子入札を導入。アサヒ電気は「電子入札が導入される前の紙での入札ではこんなことはなかった」とうなだれているが、財政難に苦しむ国の各機関や地方公共団体は、北海道開発局の電子入札に値切り術を学ぼうと、視察を申し入れるところが相次いでいる。

（写真説明：　けっこうセコイ北海道開発局）